歳月列車

米国での日常、そして、忘れえぬ日本の思い出

マルミタコ Marmitako

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今僕が住んでいるのは、アメリカ東部の中規模都市です。一番近場の大都市は首都ワシントンになります。アメリカの都市部で現在起こっているインフレは、けっこうすさまじく、この1年で実に7%の上昇だったそうです。僕の給料は7%も上がっていないので、しがない月給取りにはつらい状況です。

 

普段の生活において、アメリカの物価の高さをもろに感じるのが外食です。こちら、少なくとも都市部では、気軽に1杯という感じで飲み屋に行くことはなかなかできません。ワイン一杯で10ドル(約1100円)というのは普通で、これに簡単なおつまみでも頼むと、こちらも10ドル程度はするので、合計20ドル、そして、15%のチップを入れると23ドル+税金(2500円以上)、という勘定になります。1000円で一杯飲んで、軽く何かをつまめる、という日本への望郷の念は募るばかり。

 

そんわけで、自然と家で飲むことが多くなります。本当ならお酒とおでん、と行きたいところですが、こちらで入手できる日本酒の種類は限られているので、飲むのはもっぱらワインになります。当然、晩のごはんももワインに合うものを、というのが基準になってしまいます。といっても、脂肪分たっぷりの料理は、様々な数値を気にせざるを得ないこの年では、ちょっときついです。そんなことをうだうだ考えながらこの間作ったのが、マルミタコ marmitakoと呼ばれる、マグロを使ったスペイン料理。材料は、にんにく、ピーマン、玉ねぎ、じゃがいもなど、どこでも手に入るものばかりで、これでスープを作り、トマトペーストとパプリカパウダーで味付けをし、仕上げにマグロのぶつ切りを投入するというもの。簡単だけど、とても美味しく仕上がりました。