歳月列車

米国での日常、そして、忘れえぬ日本の思い出

北浜再訪

日本に来ている。2年5ヶ月ぶりの日本だ。6月から、米国からの入国者に対しては到着後のコロナ検査が免除となったので、入国は非常にスムーズだった。機内も快適でよく眠れた。ただ、米国を発つまでのひと月ほどは、自分の仕事人生でおそらく一番忙しかった期間であったので、精神的にちょっとまいってしまった。僕の同僚の中には、締め切りやなんかに追われると俄然やる気が出て、奮い立つ人がいるが、僕は全く逆で、寝ても覚めても仕事のことに心が支配され、どんどん凹んでしまう。そんな弱い自分の性格はよく分かっているので、締め切りはなるべく分散させ、余裕を持って終わらせるようにしているのだが、今度ばかりは自分自身では制御できない要素が絡み合って、結局、出発の前日まで仕事していた。賃労働者の宿命だ。

なので、久方ぶりの日本で普通なら感動ものなんだろうけど、羽田に着いたときの僕はすっかり疲弊していて、とりあえず、四谷の宿で早く休みたいという気分だった。今朝は、日本に来て4日目。すでに大阪に移動しており、北浜の定宿にいる。昨日は朝と夕方の2回、北浜〜中之島〜天満橋界隈をそぞろ歩いてきたのだが、こんなふうな、パンデミック以前の来阪のたびに行っていたルーティンを通じて、やっと日本に帰ってきたのだという実感が湧いてきて、ちょっと生き返った。

以前にも書いたが、この界隈は大阪の中でも僕のお気に入りの場所のひとつだ。涼しい川風に吹かれ、キラキラした水面を眺めながら土佐堀川沿いを歩いたり、明かりの灯り始めた古い街並みを眺めていると、ああ、僕はやっぱり大阪の街が好きなんだと再確認する。今日は、これから千里でちょっと野暮用があって出かけていくのだが、千里も思い出の場所だ。日本滞在の後半はまたいろいろ仕事が入っているので忙しくなるので、今のうちにパンデミックで帰国できなかったとき夢にまで出てきた場所たちを再訪せねば。

 

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