歳月列車

米国での日常、そして、忘れえぬ日本の思い出

日々の思い

三ノ宮再開発と駅前風景の均質性

この夏の一時帰国時、いつものように三ノ宮・元町界隈をぶらぶらしていたのだが、JR三ノ宮の駅前にあったターミナルホテルが取り壊されて、完全に更地となっていることに気づいた。あのホテルは、僕が物心ついたときからあって、1階の喫茶店は待ち合わせや休…

ボブ・グリーン『1964年春』を読み返す

去年の夏、父の死以来はじめて一時帰国したのだが、実家には、若いときから父が愛読していた多くの本が本棚に並んでいた。それは今も変わっていない。父の持ち物の処分は少しずつ始めているのだが、本は父が長い年月をかけて買い集めたものなので、母もそう…

さよなら日本、また会う日まで〜2023年夏〜

日本への一時帰国がついに終わり、帰りの飛行機でこれを書いている。3週間ちょっとの滞在だったが、いつものことだが、あっという間だった。今回は、来日初日からぎっしり予定を入れすぎており、その疲れが出たのか、大阪滞在中に体調を崩してしまい、北浜…

そして、誰もいなくなる

職業柄、4月は非常に忙しく、特に今年は会議やら採用の面接やらが重なって、自分のオフィスで仕事を片付ける暇がなかなか見つけられず、時間だけがどんどん過ぎていく。しかも、今日は土曜だというのに、夕方から年度末のパーティーがあるので、少々気が重い…

「母と歩いた市場への道」

今年78になる母が2ヶ月ほど入院していたのだが、先日ようやく退院した。背骨と肋骨が折れており、その治療のためだった。こけたとか、何かにぶつかったとかいう明確な事件があったわけではなく、長引く腰痛だと思って整形外科を受診したところ、体の両面に骨…

カムアウトと夙川の思い出

去年の暮の一時帰国の際に、例によって例のごとく、普段は一人暮らしで話し相手のいない母から日々のよしなしごとをあれやこれや聞かされていたとき、ふとしたきっかけで、自分の性的指向(つまり、自分がゲイであるということですね)について両親にカムア…

望郷、あるいは乱れる心

御堂筋は今年もきれいでした 明けましておめでとうございます。 前回の記事を書いてから実に4ヶ月以上の時が流れてしまった。夏の終りあたりから仕事がまた忙しくなり、11月の終わりの感謝祭までほぼ休みなしだった(といっても、オフィスに毎日行っていたわ…