歳月列車

米国での日常、そして、忘れえぬ日本の思い出

神戸・阪神間の思い出

幻想の関西

前回日本へ行ったのがパンデミックの始まる直前、2019年の12月だった。ひと月後には2年5ヶ月ぶりの一時帰国が迫っているが、現実感がわかない。日本への国際線のフライトは今だキャンセルや変更が続出しているのは、海外在住者の間ではよく知られており、自…

イカナゴのくぎ煮

僕の住むこの街では、ここ1週間くらいで気温が急上昇、にわかに春らしい天気になってきた。 というわけで、イカナゴの季節だ。神戸・明石近辺では、イカナゴの稚魚を醤油とザラメで甘辛く炊いた「くぎ煮」は春の風物詩で、物心ついた時分から、毎春、祖母も…

新神戸と旅の思い出

JR新神戸は在来線と接続のない新幹線専用の駅で、しかも、三宮・元町の繁華街から微妙に離れているので、ふらっと立ち寄ったり、という経験はあまりなく、僕にとっては、もっぱら長距離の旅の玄関口という意味合いが強い。なので、新神戸にまつわる思い出も…

新長田と父の思い出

新長田は、神戸の繁華街三宮から西へおよそ6キロ、味わい深い商店街の町だ。三宮・元町より西は、観光目的で神戸に来る人ならあまり出向かないだろうが、新開地・湊川、長田、新長田、板宿、と個性的な下町が続く。新長田は、同時に、先の震災で最も壊滅的な…

春日野道の友だち

阪急春日野道 春日野道は、神戸の中心部、三宮のすぐ東隣の町。山側に阪急春日野道駅、海側に阪神春日野道駅がある。三宮から西は元町〜JR神戸、と繁華な商業地区が続くのに対して、東の春日野道は、いくつかの活気ある商店街を抱える下町的な町だ。 大学1…

神戸メリケンパーク

小さい頃から港に対する憧れが人一倍強かった。港や波止場や埠頭や船にまつわる映画を観たり小説を読んだり歌を聞いたりすると何だか体がゾクゾク、心がソワソワして、いまだ見たことのない海の向こうの街と人に対する好奇心が刺激された。アメリカに来て初…

ああ、新開地

新開地は、神戸近辺以外の人にはあまり馴染みのない場所かもしれないが、戦前の神戸の中心地。映画館や芝居小屋、飲食店の密集する、関西随一の繁華街だった。戦争中の空襲で焼かれ、戦後は少し東の三宮へ人の流れの中心が移っていった。 新開地とは子供の時…

摂津本山に暮らした日々

もう20年ほど前、仕事を始めてからまだ間もない頃、この駅から徒歩10分ほどのところで一人暮らしをしていた。実家から大学に通っていた僕にとっては、これが初めての一人暮らしだった。給料は安く、住まいは小さかったが(20平米ほどのワンルームで、確か家…