歳月列車

米国での日常、そして、忘れえぬ日本の思い出

アメリカ暮らし―料理編―

高野豆腐賛歌

先週は相方が出張で留守にしており、柴犬くんと二人きりで濃密な時間を過ごしていたのだが、仕事がたまっていて気が重かった。仕事の性格上、オフィスでの拘束時間は短いのだが、締切が重なると週末も何もあったものではなく、家にいてもやることが次々と出…

煮豆の思い出

誰にでも子供の時分の記憶を喚起する匂いがひとつやふたつあると思う。僕にとっては、煮豆(関西風に言えば、豆の炊いたん)の匂いがちょうどそれに当たる。煮豆は、幼い頃から僕の好物で、それがおかずだとご飯もおかわりできた。大豆と根菜と昆布だしと醤…

海老のアヒージョ Gambas al ajillo

ワインに合うおかずを、ということで、海老のアヒージョを作った。スペイン語でアホajoとはにんにく、アヒージョajilloとはにんにくを小さく切ったもの。たっぷりのにんにくとオリーブオイルで食材を煮る料理だ。 レシピをいろいろ見ると、250グラムの海老に…

ぜんざいのもたらす幸福

ときに無性に食べたくなるのがぜんざいだ。スイーツに関してはただならぬ欲望を持った国民を多く抱えるアメリカに住んではいるが、和菓子は全くポピュラーではない。饅頭や大福などは近所の日系商店で買えるが、ぜんざいはそういかない。寒い冬の日、たまた…

自家製納豆

日本を遠く離れて20年ほど経つが、日本の食べ物を思わない日はない。幸い、歩いてすぐのところに日本の食材を専門とする店があるので、醤油切らしたとか、今日は味噌汁に油揚げがほしいなとか、いうときはとても便利だ。 ただ、問題は値段。豆腐とか米とかは…

マルミタコ Marmitako

今僕が住んでいるのは、アメリカ東部の中規模都市です。一番近場の大都市は首都ワシントンになります。アメリカの都市部で現在起こっているインフレは、けっこうすさまじく、この1年で実に7%の上昇だったそうです。僕の給料は7%も上がっていないので、しが…